
株主の皆様へ
「BUYMAの成長と新収益確立を達成する」
第19期(2023年1月期)は、様々な逆風の中、耐え忍んだ一年でした。
消費マインドの本格的回復は見られない中、為替は急速な変化、世界的なインフレ、原油価格の高騰による配送費の増加などにより、BUYMAで取扱う商品の価格も高額となり、ライトユーザーを中心に買い控えが続いており、成長が鈍化しました。
その中で、良質な認知の獲得を目的に、テレビCMを中心としたマスキャンペーンや、SNS施策を実施したことで、認知度は41.9%から53.6%と上昇し、また、SNSでは月間のインプレッション数は1年で6倍超に急上昇し、多くのユーザーにリーチすることができるようになりました。
特にYoutubeでのレビュー動画は人気で、購入前に実際に手に取れない商品を、動画で確認できることへの大きなニーズを感じました。
品揃えにおいては、“Specialty” Marketplace戦略に則り、法人出品者との多様な連携方法を提供し、これまで言語の壁で日本進出が難しかった海外法人の参入を促進し、品揃えや価格優位性が強化され、法人取扱高は対前年比108%と成長を継続できました。
開発と運営においては、引き続きデータドリブンな改善を続け、検索機能などUI/UXの向上、効率的なタイムセールの拡大、大型セールでは過去最高の売上を記録するなど、苦戦しながらも、一定の成果を出すことができました。また、ロイヤルカスタマーに向けたリテンション施策により、超優良顧客の総取扱高は前年を超えて着地しました。
GLOBAL BUYMAにおいては、インフレや広告投下量の抑制の影響を受けて上期の成長率は鈍化したものの、PS Eliteと呼ばれる専属出品者の増強、SEO強化施策による流入増、キャンセル率低減施策の効果がQ4に表れ、四半期・月次で過去最高の総取扱高を記録。引き続きプレミアムなマーケットプレイスとして北米で認知が広がっています。
また、ESG/SDGsについては、従来進めていたことですが、当期は開示体制を整え、発信力を強化したことで、外部評価機関の評定もPercentile37%⇒72%と大幅に上昇しました。引き続き、事業を通して、ESG/SDGsに貢献してまいります。
以上の結果、会員数は10,590,507人(前期比9.3%増)、商品総取扱高は63,277,410千円(前期比6.5%減)となり、当期における当社の売上高は6,868,805千円(前期は7,616,747千円)、営業利益は1,136,808千円(前期は2,971,217千円)、経常利益は1,143,091千円(前期は2,979,078千円)、当期純利益は712,574千円(前期は2,055,198千円)となりました。
当業績の傾向及び今後の事業環境を考慮し、株主の皆様への感謝の気持ちとして、一株10円の普通配当を実施いたします。
今期は、厳しい外部環境により前年割れが続く中で、国内BUYMA事業は成長率100%超えを目指してまいります。一方で、GLOBAL BUYMAは120%以上の成長を目指し、BUYMA TRAVELは、旅行需要回復を機に成長軌道に乗せてまいります。
また、新規事業/M&Aによる売上10億円を達成するための礎を構築し、国内外のBUYMA事業を柱としつつ、新収益の柱となる、“Specialty” Marketplaceを複数構築することを目指してまいります。
当社の保有するケイパビリティを活用して、M&A対象企業の価値を増大させ、一般的なEC運営企業であれば、BUYMAの様なSpecialty Marketplaceにまで昇華させていき、第2・第3のBUYMAを創造してまいります。
第20期(2024年1月期)のエニグモは、“世界を変える、新しい流れを。”という当社の信念(パーパス)に基づき、引き続き、長期視点での投資を積極的に行い、世界レベルの企業への進化に向けて、まずは早期の売上高100億円達成と、20%複利成長を実現する会社を目指します。
株主の皆様には、エニグモを長期的な視点で温かく見守っていただければ幸いです。
今後ともご理解とご支援のほどよろしくお願い申し上げます。